日本にはカマキリ科とヒメカマキリ科の2科9種のカマキリが生息していますが、他の昆虫同様に離島には特有種が存在しているとのこと。ここでは石川県で見ることが出来る7種についてご紹介していきます(最近話題のムネアカハラビロカマキリについては別途掲載予定)。
日本にはカマキリ科とヒメカマキリ科の2科9種のカマキリが生息していますが、他の昆虫同様に離島には特有種が存在しているとのこと。ここでは石川県で見ることが出来る7種についてご紹介していきます(最近話題のムネアカハラビロカマキリについては別途掲載予定)。
ヒメカマキリ
Acromantis japonica
■■成虫出現期■■
夏~秋
■■生息地■■
林内に多いが、寺、神社の裏手など鬱蒼とした環境でも見付かる。
■■生態■■
樹上性で敏捷。♂は良く飛ぶ。
■■特徴■■
♂25~33㍉ ♀25~36㍉。緑色型と褐色型がある。後脚の関節付近(後腿節の先端付近)に、葉状の突起がある。複眼は他のカマキリと明らかに異なりかなり特徴的。
■■画像■■
チョウセンカマキリ
Tenodera angusutipennis
■■成虫出現期■■
夏~秋
■■生息地■■
草地や畑地,河川敷の草原など、明るい開けた環境を好み、都市部などでも見られる。
■■生態■■
主に生き虫を捕食。危険が迫ると威嚇する。
■■特徴■■
♂65~80㍉ ♀65~95㍉。緑色型と褐色型がある。後翅の前縁部と中央部に並ぶ濃褐色短条および前脚付根の橙色斑が本種の特徴。
■■画像■■
オオカマキリ
Tenodera aridifolia
■■成虫出現期■■
夏~秋
■■生息地■■
林内の道沿い、林縁の茂みや樹木の上などに多い。開けた草原などはあまり好まない。
■■生態■■
主に生虫を捕食。危険が迫ると威嚇する。
■■特徴■■
♂65~90㍉ ♀75~95㍉。緑色型と褐色型がある。後翅は紫褐色。後翅の付け根近くの紫褐色斑が本種の特徴。
■■画像■■
コカマキリ
Statilia maculata
■■成虫出現期■■
夏~秋
■■生息地■■
林内,河川敷の草原,畑地や住宅地など、生息環境は幅広い。
■■生態■■
主として地上徘徊性。擬死の習性あり。
■■特徴■■
♂40~55㍉ ♀45~60㍉。褐色型は明るい黄土色から黒褐色まで様々。緑色型は少なく雌の報告が多い。体色に関わらず前脚(カマ)の内側に独特な形の黒色斑があり本種の特徴となっている。沖縄には近縁のスジイリコカマキリ、ヤサガタコカマキリが生息している。
■■画像■■
ウスバカマキリ
Mantis religiosa
■■成虫出現期■■
夏~秋
■■生息地■■
草地や河川敷の草原など、明るい開けた環境を好み、干拓地や造成跡地などの人口的な環境でも見られる。
■■生態■■
夜間、灯火によく集まる。
■■特徴■■
♂50~66㍉ ♀60~66㍉。緑色型は乳白色味を帯びた緑色。前翅前縁に沿って赤褐色。褐色型は乳白褐色~淡褐色で、前翅前縁に沿って茶褐色。全体が赤褐色を帯びる場合もある。後翅は前縁部~翅端部を除いてほぼ無紋で半透明。前基節基部近くに黒色または白抜き黒色の楕円形斑がある。
■■画像■■
ハラビロカマキリ
Hierodula patellifera
■■成虫出現期■■
夏~秋
■■生息地■■
樹上性。林内や林縁,林道でも、樹木などに登っていることが多いが、林近くの草むらでも活動する。都市部の公園の樹木などでも見られる。
■■生態■■
幼虫はヒナカマキリとしばしば間違われるが、本種の幼虫は腹部を背面に反った独特のポーズをとる。
■■特徴■■
♂45~65㍉ ♀53~71㍉。普通は緑色型で、褐色型はやや少ない。♀は頑丈で幅も広いが、♂は華奢で翅は透明感が強く、一見別種のように見える。
■■画像■■
ヒナカマキリ
Amantis nawai
■■成虫出現期■■
夏~秋
■■生息地■■
常緑広葉樹林,メダケ類の林,沿岸の松林等。落葉層に恵まれた樹林内。
■■生態■■
地上徘徊性。行動は活発。他のカマキリも含め1雌が生涯で産む卵鞘は複数の種が多いが、この種もまた1雌は3個の卵鞘を産むことは、まだあまり知られていない。
■■特徴■■
♂12~14㍉ ♀13~16㍉。翅は殆ど無いに近い燐片状。淡い灰黄褐色~灰褐色。緑色型はかなり珍しいと思われる。石川県では絶滅危惧Ⅱ類。