Hot Stories

ラミーカミキリの定着

2023.9.18

本会では2004年の初確認から始まり2015年までは単発的かつ追加採集が出来ないものの石川県内での生息を確認していたラミーカミキリであるが、2016年に生息を確認した場所からは毎年の発生を確認することに成功し本年(2023.7.16)についても発生と生息を確認することが出来た。生息域の拡大は大きくないものの確実に定着が進んでいると想定する。来年以降も定点観測を継続しようと考える。

■ラミーカミキリ:(Paraglenea fortunei)スマホでの撮影となったため少々ピンボケでアングルも悪いものの本種と断定出来る特徴は捉えている。

2022年8月28日の散策にて

2022.11.22

コロナ禍で活動がかなり制限されるその少し以前よりHPによる情報発信からSNSでのコミュニティー主体とした情報交換に切り替わっていきサイト訪問者が激減。また蓄積した情報の整理が追いつかない事態が発生していました。旧態然としたサイト運営も煩雑となっていたため更新が滞っており、この間にも当サイトを経由して連絡を下さった大勢の皆様にはメールチェックが出来ない状況が続きましたため返信の遅れまたは余りにも確認が遅くなり返信出来なかった方々も多く、この場をお借りしてお詫び申し上げます。会の活動は継続しており今後はもう少し頻度高く更新して…いければ良いなと考えています。
またメール環境も見直しましたためこれまでよりはレスポンス良く返信出来る見込みです。

■オニクワガタ:(Prismognathus angularis angularis Waterhouse)かなり久しぶりに野外で成虫を確認。灯火に飛来したものであるが雨から逃れるため軒下に隠れたものらしい

2016春例会にて

2016.5.11

本年は強風吹き荒ぶ5月3日に開催。

■ガロアムシの一種:【ガロアムシ目(非翅目、Grylloblattodea、Notoptera)】を確認。現在知られているのは2亜科4属に属する25種。日本では8種が知られているが所説あり。別名:コオロギモドキ。

2014,2015補完

2016.3.2

例によって長い放置期間がありました。今後も少しずつですが公開して行く予定です。

■ウマノオバチ:例年あまり見掛けないこの虫だが、この年(2015年)の春は金沢市内の至る所でウマノオバチを確認した。シロスジカミキリの幼虫に寄生することで有名な本種はシロスジカミキリが生息する広葉樹林で5月の一時期だけ成虫活動を行う。

■キクスイカミキリ:名前の通りキク科の植物を加害する小型のカミキリムシ。野外ではヨモギの葉が芽生え始める季節が成虫活動期間。

■アカシマサシガメ:南方系で美麗種が多いサシガメの仲間。クビグロアカサシガメやアカヘリサシガメと似ているが上翅の模様で同定可能。以前は石川県での確認記録は無かった様だが近年ではちらほらと見掛ける様になってきた。

■ギフチョウ:ウワズミザクラで吸蜜中。春暖かい日のホッとする光景。

2013初夏のTopics

2013.7.16

■マスダクロホシタマムシ:スギやヒノキの衰弱木に付く美麗種。あまり頻繁には目にしないが条件が整えば大発生する模様。特徴的な「黒星模様」の基本的なパターンに差異は小さいが、色彩は個体差・地域差が強く出て、今回観察した場所の個体は赤味が強い個体が多く確認出来た。

■ウスイロトラカミキリ:山地性のトラカミキリで広葉樹の倒木や伐採木に多いが、モミ等の針葉樹の倒木等にも集まる。どんな種にも当てはまることだが、産卵時と交尾時だけはおとなしく写真をとらせてくれる。

■ヤツメカミキリ:サクラやウメ等の広葉樹をホストとするトホシ系。やや山地性なのか石川県での過去の採集地情報は偏りが見られたが、この個体は金沢市内山間部に設置された公衆トイレの街灯に付いていた。

2012初夏~盛夏のTopics

2012.9.23

■クワコ:クワゴと濁って記している書物もある。漢字では「桑子」「野蚕」など。「カイコの原種」・・・らしいが、蚕が日本に渡来したのは中国からで、日本に原産しているクワコを改良して蚕になったのでは無いと思われ、日本にいる現在の蚕の原種が日本に原産していたクワゴかと言うと、厳密には違う様な気もしますが...歴史を詳しく調べたワケではなく推測です。。。この個体は山桑の幼木に付いていたのですが、最近はあまり頻繁には見かけないため、少し減ってきているのかも知れません。

■ギンシャチホコ:蛾の幼虫は面白い形のものが多い。成虫は地味目のギンシャチホコも、幼虫はかなり面白い形をしている。通常はコナラ等の葉に付いていて、褐色のまだら模様が迷彩となって発見の難易度を上げている。

■オオトラフコガネ:トラハナムグリ,ヒメトラハナムグリ,ジュウシチホシハナムグリ等とほぼ同じ時期に発生して、初夏に咲く花によく集まる。今年(2012年)は通年より多くの個体を見掛けた様に思うが多分気のせいだと思う。画像の通り♀(向かって左)と♂(向かって右)で模様が異なるが、その様な種はハナムグリ,コガネムシには多くない。

■アカハナカミキリ:多産するところでは毎年多くの個体を見ることが出来るが、石川県内では年によってあまり多く見ることが無い年もある。今年はこの種も少し多く発生している様に感じた。

■クロオオハナカミキリ:ブナ帯の各種の花で見られる。。らしいが最近は殆ど見掛けない。この個体は山間部の住宅街に放置されていた、かなり古い針葉樹の切り株に付いていた。

■カンボウホソトラカミキリ:ブナ帯の花や倒木での記録はある様だが毎年多くのハナムグリを観察していたノリウツギで当会初観察となった。

■トラフカミキリ:桑の生木に付くため、昔は桑の害虫として嫌われた様だが最近の生息地は限られている模様。ある程度壊れた桑の木が好み?

■ツノコガネ:糞虫にはツノを持つものや美麗種も多く画像の通りツノコガネの♂にも立派なツノが生えている。本会では初観察。1998年版の「石川県の昆虫」にも未記載種。文献によれば動物の糞に潜っている事が多いらしいため次回採集行からは箸持参となった。

初夏模様

2012.6.11

梅雨入り前、山間部の夜はひんやりとした空気であっても、外灯ではオナガミズアオなど大型の蛾が飛び交い、そろそろ様々な虫が観察しやすい季節になってきた様です。

■クロハナムグリ:明確な数字的根拠が無いため感覚的な感想ですが、毎年それほど多くを見ることがない虫だったが、今年は場所を問わずに非常に多くの個体が発生していた様に思われる。すでに時期は終わっていると思うが、多いところでは1株のガマズミに50~60頭の本種がついていた場所もあった。甲虫の周期性はあまり聞かないし、現状では理由はわからない。

■コルリクワガタ:ブナの新芽は相当高い場所に行かなければ見れない季節になったが、日陰のトチノキの新芽ではまだまだコルリクワガタを見ることが出来た。かなりネットリとした樹液を出すトチノキだが過去にも多くの本種が飛来しているのを観察している。

■ウバタマムシ:松の切り株にて。金沢市内でも飛翔個体を観察しており、そろそろ大型甲虫が動き出す季節の到来である。

晩秋の虫

2011.11.26

現在より少し前(11月12日)ですが、晩秋らしい虫1種と晩秋にも見れた虫を1種、ご紹介致します。

■トゲナナフシ:晩秋らしい虫。暖地では初冬まで見られるらしい。湿潤な林床や茂みを好むが秋以降は日当たりの良い山道に出てくる。この個体以外にも確認した2頭(計3頭)は、いずれも地表近くで確認している。石川県での確認は近年で、関西以西に多い本種の北限に近い。無翅。♀は57~75㍉ 野外産♂は未知(飼育下で数例のみ)。淡黄褐色~黒褐色。ごく稀に緑掛かった個体が見られる。 とのことなので、野外産の♂の発見と緑がかった個体の発見が次なる目標となる...のか?

■ヒメカマキリ:晩秋にも見れた虫。久しぶりの確認&新たな生息地の確認(本会基準)です。普段はかなりすばしっこい虫だけど、さすがに交尾の時は大人しい・・・っと思ったら、交尾中でも警戒が強く、画像におさめるのはやはり難易度高そうです。 まだまだ他の生息地も探して見つけ出したいところです。

2011年8月27日に観察したアカエゾゼミ

2011.8.30

デネヴ,アルタイル,ベガがつくる夏の大三角に手が届きそうな星空の元、2011年第二回目の灯火採集会を開催しました。その話はコチラでどうぞ(http://yamanao999.seesaa.net/article/222895968.html)。。。で、その同日にはこんな虫も見れました。

■アカエゾゼミ:前胸背のW字状紋の周りの特徴,前翅の暗色斑の特徴,腹弁(♂)の特徴から本種と想定する。本会では初確認。今回発見したのは民家も立ち並ぶ場所であり、再度、調査しようと考える。尚、本サイト内のセミのコンテンツに記載している本種の鳴声としての特徴については、近年では必ずしも特徴と言えない指摘もあり、現段階ではあくまで参考程度の情報ということになる。

2011/08/06 ~ 07の探索

2011.8.13

■スジアカクマゼミ:数年前に石川県内で生息が確認された外国産のクマゼミで日本国内でも生息地は「確認中」レベルの新しいセミ。この日はアブラゼミの羽化ラッシュの中、3頭を確認しました(画像中央)が、羽化はいずれも高い場所での行動が多く、今回はこの個体のみ低めの場所で羽化していました。ただ、沖縄などのクマゼミの抜け殻を見るとかなり低い位置にも抜け殻があるので、種が異なるためのものか、環境によるものなのかは、もっと観察してみないとわかりません。

■ナカネヒラアシキバチ:パッとみると苦しくて伸びたスズメバチにも見え、飛ぶ姿はアシナガバチとそっくりで体長40mm程のこのハチの正体について、大阪市立自然史博物館のM.R.様のご好意で同定していただいた結果「ナカネヒラアシキバチ」だと判明。兵庫県内の博物館類似施設にて勤務されているN.H.様からは兵庫県では1977年にのみ記録のある種だとお聞きしました。♂は極めて稀で♂がいない場合は単為生殖で種を増やすとのことであり、また♀も産卵直後に力尽きて死んでしまう様です。模様はアシナガバチなどに似ていますが生態などは巣を持つハチの仲間と全く異なり、社会生活を営まない古いタイプのハチの様です。

画像:向かって左から『スジアカクマゼミ』『スジアカクマゼミ羽化直後』『ナカネヒラアシキバチ』

2011/07/17 ~ 25の探索

2011.7.30

この期間、本年度第一回目の灯火採集会も開催しました。その模様については下記のブログにて紹介されています。

●yamanaoさんのブログ: http://yamanao999.seesaa.net/article/216689681.html

■タマムシ(ヤマトタマムシ):ここ数年は日中の気温が30度を超える日が多く、そんな状況でも比較的容易に観察できるのがこのタマムシ。出現時期には少し早いかと思ったが7月17日には既に産卵場所を求めて♀が倒木にやってきていた。この虫が出現すると本格的な夏の幕開けとなる。

■クロナガタマムシ:広葉樹の材に数多く集まることがあるクロナガタマムシだが今期も金沢市内の材置場で多くの個体を観察することが出来た。因みに触覚や脚についている赤いダニは、酢エチを使った毒ビンに入れても離れることが少なく、かなり深く食い込んでいることが少なくないため標本にする際には触覚等に気を付けて丁寧かつ慎重に取り除いてやる必要がある。尚、ヒトへの影響としては生理的に受け付けないという精神的苦痛以外は殆ど聞かない。

■クロタマムシ:昨年、金沢市内で多くの個体が発生した場所があったが、普段はあまり目にする事が少ない。かと思えば住宅の梁などから発生することもある様だが、その場合は梁として使用された後に入り込んだのでは無く、野外で乾燥させていた材の段階で産卵された後に発生するとのことで、住宅の天井裏で累代することは殆ど無いらしい。因みにこの個体を採集したとき、全く痛くはありませんでしたがタマムシに噛まれるということを初めて体験しました。

■オオヨツスジハナカミキリ:2009年に紹介したのとは別個体だがこの個体も採集は金沢市内。山間部では丁度ノリウツギが満開になる頃で花に来ても良さそうなのだが、観察はなぜか松材上が一番多い。向かって左がオオヨツスジハナカミキリ,向かって右側は大きさの比較用に並べたヨツスジハナカミキリ。

■ホソツツリンゴカミキリ:林道沿いの沢に掛かる桑を観察していた際に横のブッシュから飛び立ったリンゴ系のカミキリを掬ってとれたのがこの個体。全く狙っていなかったため少々驚いたが良く見ると横のブッシュには蔓性の植物も細々と生えている。これがホストのイケマなのかどうかは調べている最中だが、茎には細かい食痕が付いていたため、たぶんホストで間違い無さそう。ただ広く密集して生えているわけでは無いため一箇所での生息範囲はかなり狭いのかも知れない。

■コウヤホソハナカミキリ:ノリウツギにて採集した個体。ヨツスジハナカミキリとほぼ同じ位の体長で、混ざって飛んでいたため若干黒っぽい等の違いが判ったが、単独で飛んでいると飛んでいる姿で判断するのは困難かも知れない。今回多くの個体を観察出来たが、最も数多く生息を確認したのは、標高的にそんなに高山帯ではなくブナ帯下部程度の場所であった。

最近のデジカメ画像

2011.6.21

画素数が大きくて良いのですが一昔前のWeb上にUpしようとすると容量が大きすぎて困ることがしばしば...

■トビイロカミキリ:アメイロよりひと回り大きく脚の色も異なる。色々な広葉樹につくらしいが、この個体はサワフタギの花から採集した。

■キンケトラカミキリ:ケヤキ等の伐採木に集まる様だが、あまり見掛けない。多分いる所にはいるという類の「普通種」...

■カラフトヒゲナガカミキリ:マツノマダラに近いがマツノマダラよりは小型で、またヒメヒゲナガと同じ位のサイズだがフォルムは全く異なる。マツノマダラカミキリと同じく松の害虫で、ヒメコマツ等につく。

■ヒゲナガモモブトカミキリ:これも松につくカミキリだが、どちらかと言うと倒木,伐採木などにつく。

あと、春先に活動を開始する大型甲虫では、カミキリが種類も多いので偏りがちですが…

■ハイイロツツクビカミキリ:広葉樹の倒木などにつくらしいが、樹皮が残った倒木だと極めて見辛さそう...この個体は、たまたま葉上にいたため発見出来た様なものです。

■ルリカミキリ:いかにも毒々しい色味のカミキリムシだが人体には無害。ただバラ科の植物にはこの上ない害虫...

■フタコブルリハナカミキリ:カミキリムシの観察を始めてから、延々とアオジョウカイに騙され続け、ようやく見れた個体。アオジョウカイよりひと回り大きく、このサイズになると流石に見応えがある。春の花はサワフタギもガマズミも花の時期は短く、タイミングが難しい...

2011春

2011.6.21

管理人の本業多忙により、随分更新をサボってました。また折を見て更新していきます。

■ムラサキオオツチハンミョウ:よく春先に発生が確認出来るツチハンミョウの仲間の中でもかなりの大型だと思われる。山地系のようであまり見掛けない。本会では初確認であるが天敵にはカンタリジンを分泌して撃退を図るこの類には迂闊に手出しが出来ない。

ちょっと追加

2009.8.26

ココ最近の記述は、だいたい過去2~3年内に見付けた虫が中心です。

■マスダクロホシタマムシ【Ovalisia vivata Lewis】:ヒノキ,スギ等を加害する害虫として有名なマスダクロホシタマムシの成虫は5月下旬~7月下旬にかけて発生してスギやヒノキの粗皮に産卵、孵化した幼虫は靱皮部およぴ材部表面を『浅く』食害してその部分を枯れさせる(加害するターゲットは何らかの原因で衰弱した立木が主との報告あり)。しかし本会でこの虫を発見した状況は、いずれも立木ではなく余り時間が経っていない伐採木か、青々としたヒノキやスギの枝が混じったソダでのことである(匂いは重要?)。成虫はウルシを後食するとのことであるため、試しに採集した成虫に同じウルシ科のヌルデを与えてみたところ想定通り後食を確認出来たため、スギ林やヒノキ林の林縁に自生しがちなウルシ科の植物のルッキングでも生息を確認出来る可能性があると想定する。尚、ウルシ科の植物ではコクロナガタマムシの成虫が後食しているところも確認しているため、あきらかにタマムシ・チックな食痕があったとしても本種のものとは限らない。下記大きさ比較用の画像では、向かって左からケヤキナガ,本種,ムツボシ(通常サイズ),ムツボシ(オオムツボシじゃないけど大きめ)。

ある春の日の

2009.8.9

とある虫屋の散歩メモ

■ヒメウマノオバチ【Braconidae Euurobracon breviterebrae】:2005年8月7日の記録には『ヒメウマノオバチもしくは産卵管の切れたウマノオバチかも知れないが全く別種かも知れない』と、かなり曖昧な記載をした。たかが数年前のことではあるが、当時はハチ目(膜翅目)の情報源としては古びた図鑑を保有していただけで、かつ、その図鑑にも生態画像が記載されているのはごく僅かの種に限られていたため、素人同定(変換注)を進めるには厳しいことが度々あった。昨今インターネットの急速な発展とBlog文化確立により(良くも悪くも)Web上に膨大な情報が溢れるようになり、また、回線等Platformの充実に代表されるユーザー環境の格段な向上により、或る程度のアタリが付けばGoogleの画像検索などで同定に関する大きなヒントを得ることが出来る様になった。この日、特にこのハチを探していた訳ではないが、金沢市内の里山を探索していたところ、ネムノキの立ち枯れにて多数の本種が集まっているところを確認した。そのネムノキには時期的に活動期のホタルカミキリも多数集まっていたが、本種の宿主はホストを同じくするアオスジカミキリの幼虫。

■ハルゼミ【Terpnosia vacua】:晩春~初夏にかけて発生するハルゼミは成虫も幼虫も赤松を中心とした松類を非常に好む。この虫に出会うには松林を中心に鳴声を探すとともに発生の確認には抜け殻を探して付近を探索するのが王道だと考えていたが、成虫は高木の樹冠付近で鳴くことが多いため姿を見るのはなかなか難しかった。ただ繁殖(産卵)のためには或る程度の条件を満たすところを選ぶようで、そんな場所では多くの抜け殻を観察することが出来た。昨今の大都市におけるクマゼミ生息域拡大と正反対の環境を好むと思われるこの虫は、地面が踏み固められた松林では抜け殻を見ることは無く、また、成虫ですら林床の硬い林では見つけ難い。発生ピーク時に観察を続けたところ、羽化は夕方早い時間から木に登るグループと20時頃に木に登りはじめるグループに分かれることを確認した。それが天敵から逃れることを目的とした行動なのか全く別の理由か又は超偶然が重なっただけなのか?今後も観察と研究が必要だと考える。因みに判断し辛いかも知れないが、誰が何と言おうとこれはハルゼミの幼虫画像である。

もうちょっとカミキリ探訪

2009.8.3

因みにココ@HotStoriesでの生息数に関する表現(「多い」,「少ない」etc...)は、特に説明が無い限りは石川県の状況(経験則)を記しています。

■ルリボシカミキリ【Rosalia (Rosalia) bateshi Harold, 1877】:昨年7月に3年振りに確認した。本種の生息域はブナ帯とされているが、過去も含めてブナ帯より幾分低標高の民家付近や国道沿いで観察している(本個体も民家横の薪置き場にて確認)。石川県での生息数はあまり多くないと想定するものの、その理由はブナ帯に本種が集まる環境が少なく観察出来る機会があまりないことに起因する調査不足もあると想定しており(低標高での確認は稀だと考える)、本種の生息数を予測するためには生息が予想できる適切な場所複数箇所にて本種を観察し易い環境を人為的に作ってやるなどの工夫も必要かも知れない(適度な空間と乾燥が強くない場所でコブシ,モクレン等の伐採木を積上げてみるとか…)。なお余談ではあるが、本種の訪花事例(実績)について昔話として聞くことはあるが、近年の実績については県内外を問わず殆ど聞くことは無い。

■クロトラカミキリ【Chlorophorus diadema inhirsutus Matsushita,1934】:エグリトラとよく似た本種の生息数は少な目で、かつ、ホストもクリ,ナラ,ケヤキなどの広葉樹から松にいたるまで幅広く各種ホストで優先種になりにくいため必殺技的な採集方法が存在しない。しいて言えばエグリトラより乾燥した材を好むとの情報もあるが、あまりに漠然とした表現で決定的ではないと言える。そんな珍品ちっくな本種であるが確認出来る時は偶然洋服に飛んで来たり車の中に飛び込んできたりと、拍子抜けする程いともあっさり見つかったりするので不思議なものだ。この個体を見付けた時も、よく通る国道沿いを走行中の車に飛び込んできたのがきっかけで、辺りを探索して付近の民家横の薪置き場(またかい!)に数頭が集まっているところを見付けることが出来た。因みに筆者自身この時の再会が20年振りであった。

■タテジマカミキリ【Aulaconotus pachypezoides Thomson, 1864】:成虫で野外越冬することで有名な本種だが、それは暖地における生態であり寒冷地では羽化前の成虫が蛹室にて越冬する。ホストとしてはカクレミノが有名で、それ以外では、タラノキ,コシアブラ,ヤマウコギ,カミヤツデなどのウコギ科の植物に寄生するが、現状、カクレミノの自生が少ない石川県ではカクレミノ以外をホストとしている可能性が高いと想定する。ただし自生するホスト以外(栽培樹木,観賞用等)に寄生した場合は簡単に駆除されると思われ、それ以外では割と寒冷となる高標高に自生するホストが多いことが石川県での生息数が少ないことに起因していると考える。またウコギ科の樹木では先に記述したセンノカミキリの方が(石川県においては)個体数の多さから優先種の様に思える。因みにこの個体は街灯下に飛来したものであるが本種が街灯採集出来た事例はあまり聞かない。

初夏

2009.7.28

サイト更新があまりにサボリ過ぎなので少し活用。

■ムツボシタマムシ【Chrysobothris succedanea E.Saunders】(上段左):以前はかなりの山沿のソダ等を中心にこの虫を探していたが、最近は金沢市内などでも適度な空間とホストとなる広葉樹の伐採材などがある場所で比較的容易に観察出来る様になってきた。環境が戻ったのか?生息に適した環境が広がったか?はたまた探し方に慣れたのかはもう少し時間を掛けて検証したい。発生は6月下旬頃~7月下旬までがピークと思われる。

■ジュウシチホシハナムグリ【Paratrichius septemdecimguttatus(Snellen van Vollenhoven)】(上段中央左):生息数は多くないもののノリウツギを中心とした初夏の花で観察することができる。ショウマにピドニア,イタドリに各種ハナムグリとハナアブ,などが観察しやすいが、同じくこの季節に花をつけるリョウブは、なぜかあまり人気が無い。因みにトラハナムグリ系などの上翅の昆虫には酢酸エチルでの殺虫・軟化は直接薬品に触れさせない注意が必要。

■センノカミキリ【Acalolepta luxuriosa luxuriosa(Bates)】(上段中央右):今回散策に行った場所ではホストである「たらの木」のルッキングにて結構な個体数を確認したが、かつては「あまり多くない」種だった。動作が緩慢でかつ保護色も手伝っていたとも想定出来るが気候にも左右されるか周期性がある可能性も否定は出来ない。数年単位で調査要。

■イッシキキモンカミキリ【Glenea centroguttata Fairmaire】(上段右):ホストの葉上もしくは葉裏を活動場所とする本種は、ホストの減少に伴い生息数を減らしてきた種ではあるが局所的にはまだ生息出来ており、また、減少したホストの桑も年数経過によって成長,株の増加もはたしている場所もあるため、新たな生息地の確認も含めて調査要な種のひとつ。ただ良く飛び俊敏ではあるが飛行能力的に長距離を移動するとは考え難いため、生息地は現在以上に拡大する可能性は低いかも知れない。因みにホストを同じくするカミキリムシは多く、クワカミキリ,キボシカミキリ,トラフカミキリ,オニホソコバネカミキリなどが上げられるが、先般桑のルッキングの最中に「やった!トラフ発見!」っと喜んで採集したらキスジトラだった・・・

■スギノアカネトラ【Anaglyptus subfasciatus Pic】(下段左):教科書通り、複数の杉林近辺の花で本種を確認した。これもかつては「あまり多くない」種だったのかも知れないが杉林の拡大,伐採材の移送範囲の拡大なども原因で、生息域/数とも、広げている可能性があると想定する。パッと見はトガリバアカネトラとも似ているが良く見ると①赤が強くないく②脚に特徴があるなどで、普通に同定は可能。

■オオヨツスジハナカミキリ【Leptura regalis(Bates)】(下段右):ブナ帯で多いヨツスジハナカミキリよりひと回り大きい本種は生息数はあまり多くない…と思っていたが、今回、金沢市内でも複数個所で生息を確認出来たため、ひょっとしたら意外と広範囲に生息している可能性もあると考えた。調査には、低山地や山沿いなどの花や薪材を根気良く観察してみる必要がある。。。が調査時間が少な過ぎ...

世界遺産?

2008.1.27

かなり長い間、放置してしまいました。で、虫の話題が少ないこの季節になって唐突に書き込んだその理由は、実は寒くて外に行けないからだったりします(しかも今回の話題は虫には直接関係なかったりして...)。今、「白山」と「金沢の文化遺産群」の世界遺産登録を目指している旨、地元紙等で良く見掛けますますが例えば白山を世界遺産登録すると、具体的にどうなるのでしょうか?登録した後と前で、何がどう変わるのか...良く判らないのです。そんな内容をどこかに書いてあるかと、関連のサイトや雑誌などを読んでみても、明確に書いてあるモノは見つからず...なにを言っているかと言うと、「世界遺産」登録したばかりに逆に観光地化してしまって、自然が悲鳴をあげているガラパゴス諸島のコトや、国内でも白神山地や屋久島などで、世界遺産登録した後に起こっていることを、ちゃんと把握しているのかな?言葉の響きだけで市民・県民を煽っているんじゃないのかな?っと、ちょっと心配になったわけです。毎年毎年、自然の多い場所を中心に活動いている本会としては、世界遺産に登録しようとしている場所で、ガンガンに排気ガスを撒き散らすディーゼルエンジンを使ったバスやトラックの乗り入れを無規制にしているのを見ると、世界遺産の登録の運動する前に、もっと他に考えることあるんじゃないの?っと純粋にそう思ってしまいます。さて、、、次回の書き込みはいつのことになりますか...

2006年 夏

2006.8.10

昨年末の大雪+長い梅雨のおかげで、自然豊かな場所になればなるほど、その影響が大きかった様で、とりわけ山地系では昆虫だけでなく植物もまた(逆か?)ここ5~6年の状況とはカレンダーが異なり、約3週間ばかり開花が遅かったりしている模様。で...ようやくその長かった梅雨も明け、夏に活動する虫達も本格的に活動をはじめた様です。ギラギラと照りつく太陽の下では、今年もこの虫は元気に活動していますね。

同所で確認した4種のチビタマムシ

2006.6.29

金沢市内某所で半径20m以内の場所で4種のチビタマムシが確認出来たので報告する。(今回は、ここだけ月刊むし調だったりする...)

■コウゾチビタマムシ(画像左):コウゾもしくはカジノキで確認出来る本種は、体型的にはやや痩型(と保育社の図鑑には記載されている)で、非常に活発に動き・飛び回る。感覚的には林縁がもっとも観察しやすいか。

■ヒメヒラタチビタマムシ(画像中央左):同定のポイントは、1.ヒラタチビタマムシより小型で、後方に急に狭まり、より三角形に近い。2.前胸背板は上翅より幅広い。3.ナワシロイチゴを主とした日陰のキイチゴ類に付く。 観察した場所には別種のキイチゴ類もあったものの、本種はナワシロイチゴでのみ観察出来た。その他形状的特徴等は接写した画像を拡大して確認している。動きは活発ではなく殆ど動かないことが多い。

■ウメチビタマムシ(画像中央右):ウメ,アンズ,スモモ等がホストの本種だが、なぜか石川県の昆虫には記載が無い。が、しかしGoogleで検索してみたところ、石川むしの会様の機関誌では報告がある様なので、どこかに記録はある模様? この個体はウメのヒコバエ状の枝が折れた箇所で、複数の個体とともに観察出来たもの。良く動き良く飛ぶが、しばらくすると全く同じ場所に戻ってきて休んでいる(後食している訳でもなさそう)ところを観察しているものの、理由は明確でない。

■クズノチビタマムシ(画像右):本種のホストであるクズの広がりとともに本種の生息域も広がっている。ウツギ類に付くソーンダーンズチビタマムシと似ているが別種。但し種間雑種(クズノチビタマムシ)は確認されている。

今年の春は...

2006.5.18

年末の大雪の影響か、ここ数年に比べて今年は季節の進行がややスローで、虫の発生にもやや影響を及ぼしている様です。とは言え、日当たりの良い場所などでは活動する虫の種類も日に日に増して、もう少し経つと例年通りに色んな虫が本格的に活動を開始することでしょう。ってことで、以下、今年のGWに観察出来た虫たち。探せば色々見付るものです。(左からヒシモンナガタマムシ,シロオビナカボソタマムシ,アカネトラカミキリ)

今年は熊に・・・?

2006.3.23

平地ではすっかり雪も消え、場所と種類によっては桜もチラホラ咲き始めてもオカシクない季節になってきました。実際ボイラーの側に生えている等の特別な条件の桜ですが、既に蕾はピンクに色付いてたりなんかしてますね。暖かな日差し日には、そろそろ散策に出掛けたい気分になってきます。あんまり脈絡無い話ですが「今年は熊の動向に注意する必要があるかも知れない」と言うことで、岩手県はHPなどで『ツキノワグマの出没に関する注意報』を発令しました。熊に関しては被害が続出した場合などに行政等から注意を促すことはあっても、事前の注意報はあまり例が無いと思われます。この注意報が発令された理由は熊の餌となるブナ(の実)の性質に因るもので、森林総合研究所によると『ブナは豊作の翌年はほとんど実を付けない性質がある』とのこと。石川県でも去年は豊作の年にあたっているため、今年は凶作の年になる可能性があります。そうなると一昨年のように頻繁に人里まで下りてくる可能性もあり、農作物だけでなくバッタリ出会ったりして被害が発生することも想定されますので、彼らが山を下ることが想定される秋までには、石川県でも今のうちに何らかの手を打っておく必要があるかも知れません。今の季節であれば山菜採りなんかに出掛けた時には十分注意して行楽に勤しみましょう。

種撒き

2006.2.22

トリノオリンピック観てますか?なかなかメダルに届かない日本選手・チームですが、各競技で精一杯頑張っている選手達の活躍は、結果はどうあれ観るものの心をアツくさせますね。ここはひとつメダルメダルと大騒ぎせずに、ピュアな気持ちで応援したいものです(ホント、民放の某局騒ぎ過ぎ!)。そんな中、今回の大会で多くの日本国民の応援と注目を集めた女子カーリング・チーム。真剣な表情でひたむきにプレーする彼女達の姿は、これまで日本では決してメジャーではなかったカーリングというスポーツの楽しさをアピールすることに大きく貢献出来たと思います。彼女達が蒔いた種を大きく実らすためには施設の充実や用具の確保など色々と課題も多そうですが、ここは一つ関係者の方には頑張って頂き、折角の芽を摘んじゃわない様にビシッと体制を整えて欲しいですね。また同時に金儲け主義のマスコミから、頑張った選手の方々を守ってあげるなどの対応も考慮してあげて欲しいものです。ジャンルは全く異なりますが、本会では昆虫と接する事の楽しさや、豊かな自然のありがたみ・美しさなどなど、本サイトを通じてご紹介して行くことで、環境や自然を大切にする活動に貢献して行ければと考えます。大変遅くなりましたが、本年もどうぞ宜しくお願い致します。

冬の日

2005.12.17

12月のこの雪の降り方は久しぶりです。子供の頃は結構こんな感じで12月でも積もるほど降る年もあったと思うんですが...ひょっとしたら記憶違いかも知れません。さて、この季節は毎年溜まりにたまったデータの整理をすることにしているのですが、今年も現在その作業の真っ只中であります。そんな中からトピックス的なものを2つご紹介しましょう。

■画像左:オオアシナガサシガメ、もしくはセスジアシナガサシガメかと思われます。長い脚が特徴で、画像ではチョットわかり辛いのですが、まるでカマキリの様な前脚をしており、小さな虫を捕食します。地表近くに生息し、動きは非常に緩慢であるため、ナカナカ目に付きにくいのですが、街灯下などでも羽アリなどを捕食しに出てくることもある様です。何れにしても石川県で確認された記録が無いため、今後は生息地等の環境なども含めて調査を継続して行く予定です。

■画像右:ヒメウマノオバチ(もしくはウマノオバチの産卵管が切れてしまったもの?)だと思われます。ウマノオバチ属はコマユバチ科の中では特異的に大型で、いずれも他の昆虫に寄生して多くの場合は白いマユ作ることで有名です。コマユバチ(いわゆる寄生蜂)の仲間は非常に種数が多く、国内には2000種以上が生息していると考えられており、現在でも詳細な調査・研究がされていない種も多くいる仲間です。この画像がヒメウマノオバチなのか別種なのか?今後の調査と研究により明らかにしたいと思います。

更新遅延

2005.11.21

サイト管理人が長期出張だったため、すっかり更新がストップしてしまいました。その間にも色々と活動はしていまして、チョット小出しになりますが、トピックス的に。。

まずは今回のTop画像にも使っているチョット珍しいハラビロカマキリの産卵写真(左,中)。これは別角度からの画と産卵直後の状態を撮影したものです。産卵時には銀糸っぽく見える卵のうですが、この時点で既に特徴あるハラビロカマキリの卵のうの形をしています。飼育している時にケースの中で産卵することは良くあるのですが、ケースの形(広さ)も影響してか、結構、卵のうの形が崩れることが多いと思います。尚、当然のことながら、自然下で産卵シーンに遭遇した時は驚かせない様に静かに観察するのがポイントですね。

右の画像は11月13日に撮影したキボシカミキリです。この日は久しぶりの「晴れた休日」でしたが、そのせいか、複数頭の本種が交尾や後食しているところが観察出来ました。例年、結構遅い時期まで観察出来る本種ですが、もともと暖地系で生息地を北上させつつあるこの虫が、仮にも北陸地方である石川県の、しかも結構な山間部でかなりの数を観察出来るってのも、気候条件の変異のせいカモ知れません。

もう1点!先日、ご縁があって石川むしの会様の例会に参加させて頂く機会に恵まれました。色々お話させていただくなか、考え方や行動を参考にさせて頂く所が随所にあり、同じ石川県において後発の本会としては、今後も色々ご指導頂きつつ、親交を深めて行ければと考えています。石川むしの会の皆様、今後とも宜しくお願い致します。

幻の○△□

2005.9.8

虫屋さんが開設しているサイトは数多くありますが、その中で使われていた言葉のひとつに「幻か!」という表現がありました。憧れていた虫や狙っていた虫と偶然に出会えた時などに使われた表現です。その対象は人それぞれである人にとっては普通種でも別の人にとっては超憧れ虫だったりするわけです。ところが採集や観察に出掛けた時に「幻であってくれ!」っと思う場面に遭遇することも少なくありません。例えばオニクワガタに強い憧れを抱いている人が外灯などで偶然、左の様なシーンに出会うと「幻か!」となり、林道で写真右の様なシーンに出会った場合「幻であってくれ~!」っとなりますね。。色んな虫に興味を持って接していると、そういう場面に出会うことも多くなるのでフィールド散策の楽しみも増えるかも知れません。

夏から秋へ

2005.8.30

そろそろ夏休みも終わって学校が始まる時期。。子供の頃、毎年この時期は夏休みの終わりと共に夏にしか逢えない虫と1年間のお別れの時期でもあったので人一倍寂しい顔してたことでしょう。。などと思っていたら、最近は小学校も少し早めに始まるそうですね。。なんだかこんなふうな感覚とか、8月31日恒例の夏休みの宿題突貫作業とかも、昔とは微妙に違う時期に味わっているというのも時代の流れなのでしょう。。そんな微妙な世代感覚のズレ(大げさ..)とは関係無く、今年もそろそろ夏の虫達とはお別れの時期がやって来ました。来年夏もまた彼らの子孫に出会いたいものです。もっとも、写真向かって一番右の彼女は、今からが成虫活動の本番の時期。バッタ,コオロギ,カマキリなどと一緒に、冬が来て雪が降るまでは十分楽しませてくれる虫達の季節ですね。(左から、イタヤカミキリ,ミヤマクワガタ,シラキトビナナフシ)

RedDataBook県民参加調査

2005.7.19

2005年6月17日の石川県HPにて公開募集されている「いしかわレッドデータブック県民参加調査」の記事。そのコンセプトがQ&Aおよびそこからリンクされているページにて解説されています。が、その主旨である「これらの動植物を守り伝えていくために、役立てていこうと考えています。」という内容。具体的な方法が全く記載されていませんが、いったいどの様な方法で「守り伝えていく」んでしょう。なんて単純に疑問に感じてしまいます。対象生物の生息地が開発されそうになったらその計画を取り止める?いえいえ、国家規模でないとそんな事例は殆どないでしょう。また調査結果について「分布図等をつくりホームページでお知らせしていく予定です」ってことですがお知らせだけ?保護とか考えているんでしょうかね?なんか軽く考え過ぎって思えるのは記述不足・説明不足ってだけじゃなく体質そのものって気もします。もう少し考えた行動指針を示して欲しいと考える一方、きちんとした体制と方針を示してくれれば本会保有のデータは惜しみなく開示し協力する用意はあるんですが...なんてこんなところで言っててもしょうがないんですが、それでもそういった話が無いとも限らないので、今日もまた調査に出掛ける本会メンバーでありました。今年もこの虫(ネブトクワガタ)の生息が確認出来て一安心。

ハンミョウの濡れ衣

2005.6.27

極彩色に輝く上翅で有名な斑猫「ハンミョウ(ナミハンミョウ)」は、かつては「毒虫」と誤認されていた時代がありました。これはカンタリジンという毒液を分泌し時には毒薬,時には漢方薬として用いられるツチハンミョウ科の虫と混同されてのことです。今でも年配の方の中には、「ありゃ毒あれんて『あれには毒があるんだよ』の意:金沢弁」と教えられる事もあって、そんな時は中々対応に苦慮する時もあったりなんかして...それはさておき、ナミハンミョウに代表される国内に生息するハンミョウ科の虫には毒は無く、またオサムシやマイマイカブリ,ゴミムシ類に近い仲間なんだけどガスを発射したりすることも無いので、素手でつかんでも噛まれることはあってもかぶれたり水泡が出来たりはしません。そんなハンミョウ科の虫は、幼虫が土中に竪穴型の巣を掘って潜み、近くを通る昆虫類を捕食するという生態であるため、開発による舗装道路化や生息地を踏み固められたりする環境変化に極めて敏感な虫であると言えます。保護対象のイカリモンハンミョウ以外のハンミョウ達。さて、この先あと何年、石川県で見ることが出来ますかね...画像のエリザハンミョウはナミハンミョウの半分ぐらいで、1センチに満たない位の小型の昆虫ですが、この日は街灯下で獲物を狙っているシーンを観察出来ました。

夏の入口

2005.6.7

晴れたり,曇ったり,グズついたり…今の時期の天気はチョイと気マグレなんだけど、雨をもたらす厚い雨雲の上では太陽がチャクチャクと夏の準備をしているようで... で、地上でも着実に夏の準備が進んでいて、観察出来る虫も日に日に増えてきています。夏本番になると大型の昆虫が目を引きますが、実は今の季節にのみ出現する小型の虫たちの方が種類も多く色彩もカラフルだったりします。道端に生える雑草の上や花壇の花なども注意して観察すると楽しいですよ!(【左】ヨツキボシカミキリ,【中】ヒメマルカツオブシムシ,【右】キイロトラカミキリ(因みにヒメマルカツオブシムシは洋服などに付く害虫であるため洗濯ものを干す場合はご注意を...))

後食

2005.5.16

今年の季節は進行が遅いの?なんて思ってた早春の頃の心配も、GWの頃にはスッカリいつものペースに追いつきました。そうなってくると一日も早く一分でも長くフィールドに立ちたくなってきます。以下、最近観察した2種についての報告です。

●キンキコルリクワガタ:今の季節はブナ新芽等で比較的多く観察出来る種ですが、成虫飼育となるとチャレンジしている方はあまり多くない様です。幼虫はブナ等の朽木を粉砕したフレークで可能な本種ですが、成虫はなかなか困難なのか?などと考えていた時、とある古い書籍にルリ・コルリクワガタの成虫飼育法が載ってるではありませんか。その方法とはブナ新芽の代替としてリンゴを用いる方法。現在この方法で1週間以上の飼育に成功しており、現在も継続中です。

●ミヤマツヤハダクワガタ:成虫の活動期間は7~8月の短い間で、倒木上や稀に灯火などで観察出来る本種ですが、オニクワガタ同様に成虫の後食が確認出来てはいません(本会内での確認のみ)。フォルムを観察するとオニクワガタもツヤハダクワガタも共に他のクワガタムシに比べて腹部が丸く発達していることと体の大きさに比べて脚がかなりか細い点に目が行きます。もしかしてこれは幼虫期間に腹部に溜め込んだ栄養のみで成虫活動を行う種なのカモ?なんか砂漠に生きるラクダの様ですが、生物の体型的特徴には、何らかの理由が伴うものであるため、あながち的外れな想定じゃあないかもです。

法律の話

2005.4.22

石川県のHPにおいて、4月20日の「ほっと石川ニュース」というコンテンツに「石川県の外来種問題について」という記事がUPされました。元ネタ(失礼!)は、「特定外来生物被害防止法」に基づく県条例「ふるさと石川の環境を守り育てる条例」の施行によるものです。現在、空前のペット・ブームも手伝って非常に多くの外来生物が上陸していますが、ブラックバスなどの無断放流やアライグマ等のペット遺棄によってもたらされる在来種の生息地圧迫問題などに対応するための条例ってことですね。この話を語りだすと延々数ページ分の文章になってしまいますし、また人それぞれに考え方もあるでしょうから、ここで多くを語るつもりはありませんが、本件に関係のあることだけ、下記にピックアップしてみます。時間がある時にでも一度は読んでみることをお勧めいたします。

●特定外来生物被害防止法について

 様々な被害を及ぼす可能性が高い外来生物を国が定め、それらを無断放流行為など人手によって生態系に影響を及ぼすことを規制する法律(のはず…)。詳細は環境省のHPをご覧下さい。

●ふるさと石川の環境を守り育てる条例について

 注目すべきは、第156条(外来種の放出等の禁止)と第157条(特定外来種の増殖の抑制)。特に第156条には、「何人も、動植物で、県内における地域の在来種を圧迫し生態系に著しく支障を及ぼすおそれがある国内又は国外から持ち込まれた種を、みだりに放ち、又は植栽し、若しくはその種子をまいてはならない。」とあり、国が定める「特定外来種」に限った話をしている訳では無い様に解釈出来ます。外来生物の飼育者は十分留意する必要がありそうですね。また「石川県の外来種問題について」では、金沢の夕日寺県民自然園にある「トンボ・サンクチェアリー」におけるアメリカザリガニによる被害状況なども読むことが出来ます。詳細は石川県のHPにてご確認下さい。

●植物防疫法について

 外来昆虫などの国内持ち込みを規制する法律です。特定外来生物被害防止法と密接に関係しなければいけない法律であるため、管轄はともに環境省となっています。ただ現実は… 詳細は環境省のHPをご覧下さい。

■環境省のHP:http://www.env.go.jp/

■石川県のHP:http://www.pref.ishikawa.jp/

それぞれ、サイト内検索機能もありますので、関連文言を検索してみると良いでしょう。

春!

2005.4.11

サクラ,スミレ,モンシロチョウ。春本番の到来です。地震や熊も怖いけど、そろそろ本格的に活動したくなってきた今日この頃…里山ではビロウドツリアブやギフチョウなんかも盛んに活動してる様です。カタクリの花に集まる虫を探しにちょっと足を伸ばしてみますか!

気候のお話

2005.2.21

当初、暖冬か?なんて思ってた今シーズンの冬ですが、なかなかどうして、しっかり雪も降って結構な寒さの日もアリで、いつもの冬と大差無いって感じです。しかし子供の頃に味わった冬と比べると寒さ度合いは全然厳しくなく、やはり温暖化の影響?っと考える方も大勢いらっしゃいまして、何を隠そう、私もそう考える一人だったりいたします。とは言え、野外活動するにはこの寒さはさすがに厳しく早く暖かくなって欲しいとウズウズしながら考える今日此の頃...さあって今年はどんな虫達に出逢えますか。

New Year!

2005.1.4

新年あけましておめでとうございます。稀にしか更新されない本サイトですが、本年も宜しくお願い致します。2004~2005の年末年始休に散策した際に見付けました。チビクワガタかと思いますが、初めて見た種なので、まだ同定は出来ていません。まだまだ見た時も無い種がいるんだなと、改めて思った休暇でした。今年も色々活動してみたいと思います。

巷の話題

2004.10.8

今年は熊のニュースが多いですね~。作物被害に遭われた農家の方や民家付近などで襲われた方に心よりお見舞い申し上げます。この季節、例年であれば数件のニュースにはなりますが、今年は全国的にも異常に件数が多いようです。理由については色々取り沙汰されていますが、猛暑や害虫による生息域での餌不足、および保護地区の拡大に伴う山中の個体数増加などが原因との見方が多い様です。その保護地区拡大についてですが、熊を含む鳥獣保護を目的としているためか、彼らの食料である樹木はもとより、栗などの木の実の採集についての考慮はされているのか?など、少々、疑問に感じるところもあったりします。行楽には絶好の季節ですが、木の実や野生の果樹の採集には、少しだけ心配りをする必要があったりするのかなぁ・・・?っと思う今日この頃でした。と言う私自身も、先週末は写真のカモシカ以外に猿と熊とその他数種類の小動物に遭遇していたりしてますが、わざわざ彼らの生息域に足を踏み入れていますので、ま、当然と言えば当然です… 因みに初めて見た野生の熊に対して、全く凶暴なイメージが無く人懐っこい犬の様な印象を受けたのは、何事もなく無事にやり過せたからに他ありません。。。色んなルールを守って行楽を楽しみましょう。

GW 2004

2004.5.10

天候にも恵まれて3日間フィールドに通ってしまいました。狙いのコルリは発生していたもののピークはあと1~2週間程先でしょうか。それでも色々楽しい発見もあり充実したGWとなりました。今日からの仕事に差し支えなければ良いのですが…【写真左:ブナ新芽,中:オニクワガタ(幼虫),右:コブスジツノゴミムシダマシ】

ゴマダラチョウとオオムラサキ

2004.5.7

今月に入って色々探索してますが、先日はゴマダラチョウの幼虫を見つけました(左)。エノキの幼木に3頭付いていたのですがエノキは既に丸坊主。このままでは餓死するのは確実だったんで連れて帰って飼育に挑戦中です(中)。今日は食草のエノキを採りに近所の山へ行ったんですが、今度はそこにオオムラサキ(右)がいるじゃありませんか。金沢市内では中々見れないオオムラサキを採集出来て思わぬ収穫でした。因みにゴマダラチョウとオオムラサキの違いは背中のトゲの数で3対6個がゴマダラチョウ4対8個がオオムラサキです。無事に羽化しますように...

熊撃ちのオジサン

2004.4.12

ギフチョウ舞う良い天気となった日曜日、ちょっと散策に行きました。ブナ林を散策中、そこで出会った熊撃ちのオジサンとしばし立ち話。。。今年の雪融けの進行具合,熊と出会った時の対処法,猪の生態について,獣の足跡の見分け方,etc… おじさん、色々興味深いお話ありがとうございました。また何処かで!

今日の散歩

2004.3.14

今日は天気も良かったんでドライブがてらに出掛けてきました。越冬組みでテントウムシとカメムシを確認できましたが新成虫組の活動はもう少し先でしょうか。。。ってことで、手頃な倒木をホジホジしてみたところ、コクワガタとカブトムシの幼虫がゴロゴロゴロ…(あぁ、また写真撮るの忘れた。。)でも虫のシーズンも間近です。

越冬準備

2003.11.3

そろそろカメムシやてんとう虫が電柱などに集まって集団越冬の準備に入る頃。週末にはそんな風景を見に行ってみましょかね。。晴れれば・・・ですけど。

終盤…

2003.10.9

いつの間にか、すっかり空が高くなって、しばらくすると今年も静かな季節がやってきます。来年もまた楽しめますように…と、今年も楽しませてくれたフィールドに、週末になったらお礼に行って来よう。。。

開設

2003.10.7

管理人によるつぶやき部屋です。虫に関係あること、虫に関係無いこといろいろつぶやいてみます。滅多に更新はないと思いますが・・・